【9月9日 AFP】フランスのクレマン・ボーヌ(Clement Beaune)交通担当相は7日、ドイツの成功例を模倣し、2024年夏に月額約49ユーロ(約7700円)で全国のローカル線TERや都市間鉄道が乗り放題となる格安パス「パスレール(Pass Rail)」を導入する方針を明らかにした。政府は環境問題への配慮から、飛行機の国内線の利用を一部制限し、公共交通機関の利用を奨励している。

 ボーヌ氏は国営テレビ・フランス2(France 2)に対し、「至ってシンプルだ。フランス国民なら、年齢にかかわらず、誰でもこのパスを購入できる。そうすれば、安価な均一料金で都市間鉄道やTERが乗り放題になる」と説明した。

 ボーヌ氏は、隣国ドイツが5月1日から導入した「ドイチュランドチケット(Deutschland-Ticket)」をそっくりまねたことを認め、「目標は、ドイツなどの欧州諸国に似たやり方で鉄道の利用を促すことだ」と説明した。ドイチュランドチケットは月額49ユーロで、州や地方自治体の公共交通機関が乗り放題となる。

 ただし、ドイチュランドチケットで高速列車ICEを利用できないのと同様、パスレールでも高速列車TGVは適用外となる。

 ボーヌ氏は「可能なら」パスレールで都市内の地下鉄やバス、路面電車も利用できるようにしたいと述べた。

 ドイチュランドチケットの費用はドイツ政府と州政府が均等に負担しており、その費用は2025年までで年間30億ユーロ(約4730億円)と見込まれている。(c)AFP/Jean LIOU