【9月10日 CGTN Japanese】オープンアクセスジャーナル「ブリティッシュ・ジャーナル・オブ・キャンサー」の最新号に掲載された研究によりますと、2019年の50歳未満の人のがん新規発症者数は182万人で、1990年比で79%増加し、中でも乳がん患者の割合が最も高かったということです。

 中国の浙江大学、英国のエディンバラ大学などの国際研究チームの研究成果によりますと、1990年から2019年までの間に、50歳未満の人の中で、鼻咽頭がんと前立腺がんの新規発症者数が最も増え、年間増加率は鼻咽頭がんが2.28%、前立腺がんが2.23%でした。一方、50歳未満の人の中で、肝臓がんの新規発症者数は年間2.88%低下したと推計されます。

 がんは高齢者により多くみられる病気ですが、1990年代以降、世界の多くの地域で50歳未満のがん罹患数が増加傾向にあることを示す証拠があります。しかし、これらの研究の多くが地域や国の違いに焦点を当てたもので、グローバルな視点や50歳未満の人のがん発生要因の観点から体系的に研究したものは多くありませんでした。

 こうした空白を埋めるため、研究チームは、2019年の「世界の疾病負荷研究」報告書に掲載された204カ国・地域の29種類のがんに関するデータを利用して、14~49歳の人のがん発症率、リスク要因、死亡およびがんに関連する損失余命年数などのデータを分析しました。

 今回の研究テーマとなったがん罹患傾向について、研究チームは、2030年までに世界の50歳未満のがん新規発症者数および関連死亡者数は引き続き高いレベルを維持し、中でも40代のリスクが最も高いと推定しています。

 研究者は、がんの罹患は遺伝的要因が一定程度関係していると考えられる一方で、赤身肉や塩分の過剰摂取、食事における果物や牛乳の不足、喫煙・飲酒、運動不足、過体重、高血糖値が、50歳未満の人によく見られるがんの主なリスク要因となっているとしています。(c)CGTN Japanese/AFPBB News