■センセーショナルなだけ

 こうした問題があるにもかかわらず、人類滅亡論に焦点を当てながらAI論を展開するユドコウスキーら長期主義者は注目を浴び続けている。

 だが、ゲブル氏やトーレス氏らは、AIについては著作権問題やアルゴリズムバイアス、一部企業への富の集中といった問題にこそ焦点を当てるべきだと主張する。

 トーレス氏は、ユドコウスキー氏のように真剣に捉えている論者もいるものの、人類滅亡論の大半は何らかの利益が動機だと指摘した。

「人類滅亡というストーリーや大多数が命を落とすとする天変地異の話は、アフリカの労働者が時給1ドル超で働いている状況や、アーティストや作家が搾取される現実の問題よりもセンセーショナルで人の注意を引きやすい」 (c)AFP/Joseph BOYLE