【9月6日 AFP】南アフリカにある世界最大のサイ牧場が、自然保護に取り組むNGO「アフリカンパークス(African Parks)」に売却された。同NGOが4日、明らかにした。

 牧場は北西(North West)州にあり、広さは7800ヘクタール。ミナミシロサイ2000頭が生息している。

 南アフリカの自然保護活動家ジョン・ヒューム(John Hume)さん(81)が所有していたが、資金が底を突いたため、4月に競売に出されていた。

 観光リゾート開発で財を成した元実業家のヒュームさんは「大富豪」に購入してほしいと話していたが、アフリカンパークスによると他に入札者はおらず、サイが「密猟の深刻な危機」にさらされていた。アフリカンパークスは、政府から支援を受けているという。

 サイの角はアジアで伝統薬として珍重されており、世界のサイの80%近くが生息する南アフリカは密猟の多発地帯となっている。

 政府によると、有名なクルーガー国立公園(Kruger National Park)をはじめ国立公園では保護が強化されているにもかかわらず、昨年殺害されたサイの数は448頭と、2021年からわずか3頭少ないだけだった。

 アフリカ各地で22の保護区を管理するアフリカンパークスは、今後10年で現在の繁殖プログラムを段階的に廃止し、ミナミシロサイ2000頭を野生に戻す計画だ。

 映像は今年4月に撮影。(c)AFP