【9月5日 AFP】干ばつに見舞われていたスペイン各地で豪雨が発生し、4日までに少なくとも3人が死亡、3人が行方不明になっている。首都マドリードでは、地下鉄や高速鉄道が運休した。

 スペイン気象庁(Aemet)によると先週末、ほぼ全国にわたり豪雨が発生。カディス(Cadiz)、タラゴナ(Tarragona)など沿岸地域では3日、記録的豪雨を観測した。

 カスティーリャラマンチャ(Castilla-La Mancha)当局は、中部トレド(Toledo)で2人が死亡したと発表したが、詳細は明らかにしていない。

 トレドでは、自宅の屋根の上に取り残された人を救出するためヘリコプターが出動した。

 マドリードでは3日、豪雨による危険が極めて高くなっているとして、住民に対し、スペイン語と英語で緊急事態を告げるメッセージが送られた。メッセージを受け取ると大音量で警報音が鳴る仕組みで、当局が携帯電話の警報システムを利用するのは今回が初めて。

 マドリードでは4日朝、豪雨による影響で地下鉄の多くの路線が運休となったが、午後にはすべての路線で運行が再開された。

 スペイン国鉄レンフェ(Renfe)によると、3日に運休したマドリードと南西部アンダルシア(Andalusia)や東部バレンシア(Valencia)を結ぶ高速鉄道は4日再開した。一部区間では速度を落として運行しているという。

 気象庁は3日にマドリードの警戒レベルを最高の赤色から黄色に引き下げた。豪雨は4日朝には弱まった。

 ペドロ・サンチェス(Pedro Sanchez)首相は救急隊に感謝するとともに、市民には「引き続き注意して行動する」よう呼び掛けた。(c)AFP