【9月1日 AFP】南米エクアドルの矯正当局SNAIは1日、国内各地の六つの刑務所で、受刑者らが刑務官と警察官57人を人質に取っていると明らかにした。

 フアン・サパタ(Juan Zapata)内相は首都キトで会見し、「当局者の安全が懸念される」と述べた。

 サパタ氏は先に、現場はクエンカ(Cuenca)の刑務所だと述べていた。SNAIはその後、六つの刑務所だと訂正したが、具体的な場所は明らかにしていない。

 南部コトパクシ(Cotopaxi)州の州都ラタトゥンガ(Latacunga)にある主要刑務所では前日、警官や兵士数百人を投入し、武器・弾薬、爆発物の捜索作戦を実施していた。

 人質事件について、SNAIはこの作戦への報復だと発表したが、一部の当局者は、他の刑務所への移送に対する抗議行動だと述べている。

 エクアドルの刑務所は、コロンビアやメキシコの麻薬カルテルにつながるギャング同士の抗争の舞台となっており、2021年以降430人以上の受刑者が死亡した。刑務所内で焼かれたり切断されたりした遺体が見つかることもしばしばある。

 エクアドルは世界最大級のコカイン生産国であるコロンビアとペルーの間に位置しながら近年まで平和だった。だがここ数年で麻薬密売の拠点となり、暴力がはびこるようになっている。(c)AFP