大英博物館館長、辞任へ 所蔵品盗難で引責
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【8月26日 AFP】英ロンドンの大英博物館(British Museum)のハルトビヒ・フィッシャー(Hartwig Fischer)館長は25日、所蔵品が盗まれたり所在不明になっている責任を取って辞任する意向を表明した。これらの品がオークションサイトに流出しているとの警告を受けながら適切な対応を取らなかったと認めた。
同館は先週、所蔵品が「所在不明、盗難、破損」しているのを発見し、職員1人を解雇し、警察に通報したと発表した。
被害に遭ったのは紀元前15世紀から19世紀までの金の宝飾品や半貴石、ガラスなど。大半が学術・研究目的で倉庫に保管されていたもので、最近一般公開されたことはないという。
英BBCが入手した電子メールによると、同館は2021年、米インターネット競売大手イーベイ(eBay)で所蔵品が販売されていると古物商から指摘を受けたが、取り合わなかった。
フィッシャー氏は「21年に受けた警告や現在明るみに出た問題に対して、大英博物館が本来取るべきだった包括的対応を怠ったのは明らか」だとし、そうした過失に対する最終的な責任は館長である自分にあると述べた。
ロンドン警視庁は24日、男性1人に事情聴取を行ったが、逮捕はされていないと明らかにした。(c)AFP