【8月23日 AFP】6か国で構成する中米議会は21日、台湾からオブザーバー資格を剥奪し、代わりに中国に付与する議案を承認した。ニカラグアが提案したもので、同国は中国の「手先」になろうとしていると台湾は反発している。

 台湾外交部(外務省)は22日、中米議会の決定を受け、台湾の「主権と尊厳」を守るため同議会から脱退すると表明。声明で「ニカラグアのダニエル・オルテガ(Daniel Ortega)独裁政権は中国の手先になろうとしている。『一つの中国原則』という誤った考えを巧みに扱い、中米議会におけるわれわれの権利を奪おうとしている」と非難した。

 中南米では、今年3月にホンジュラスが台湾と断交し中国との国交を樹立。中米議会の決定は台湾にとって外交面での新たな逆風となった。同議会構成国では、台湾と外交関係を維持しているのはグアテマラ1国にとどまる。

 一方、中国外務省の汪文斌(Wang Wenbin)報道官は同議会の決定について、「『一つの中国原則』は不可避の動きであり、人々の願い、止めることのできない流れであることが改めて示された」と歓迎した。(c)AFP