【8月17日 AFP】米ロックバンド「ザ・キラーズ(The Killers)」は16日、旧ソ連構成国ジョージアで行ったコンサートでロシア人ファンをステージに招き、観客からブーイングを浴びた一件をめぐり謝罪した。

 問題が起きたのは、ジョージアの黒海(Black Sea)沿岸にあるアリーナで15日に行われたコンサート。

 ソーシャルメディアに投稿された動画によると、フロントマンのブランドン・フラワーズ(Brandon Flowers)がファンの1人をステージに招き、「この男はロシア人だ。みんな、ロシア人がここに来ても構わないか?」と尋ねると、観客からブーイングが起きた。

 さらに「自分の兄弟かどうかも分からないのか?」と問い掛けた。地元メディアによると、途中退席する観客もいたという。

 この一件についてザ・キラーズは16日、「ジョージアのみんな、不快な気分にさせるつもりはなかった!」「ザ・キラーズの観客とファンは全員が『兄弟姉妹』だと言うつもりだったコメントが誤解を招いたことを認める。誰かを怒らせるつもりはなかった。謝罪する」とソーシャルメディアに投降した。

 だが、このコンサートに前座として出演したジョージアのロックバンド「ラウドスピーカーズ(LOUDspeakers)」は、本件に「失望した」とし、ソーシャルメディアに「ロシアは敵であり、占領者だ!」と投稿した。

 カフカス(Caucasus)地方の小国ジョージアでは、昨年のロシアによるウクライナ侵攻開始以来、徴兵や反体制派弾圧から逃れてきたロシア人を多数受け入れており、緊張が高まっている。

 ジョージアは2008年にロシアと軍事衝突して以来、同国を後ろ盾とする分離独立派に国土の5分の1を占領されている。(c)AFP