【8月11日 AFP】北アフリカ・チュニジアの沿岸警備隊は10日、船でイタリアへ渡ろうとする不法移民・亡命希望者の取り締まりを実施した。アフリカ諸国出身の不法移民が乗った小型船が阻止され、乗っていた人々は沿岸警備隊の船に移された。

 チュニジアはリビアと並び、より良い生活を夢見て欧州を目指す不法移民や亡命希望者の出発点となっている。

 チュニジアでは今年に入りカイス・サイード(Kais Saied)大統領が、不法移民の「大群」が犯罪を引き起こし、アラブ人が多数を占める同国に脅威をもたらしているとする扇動的な演説を行ったことを受け、3月、4月には地中海を横断し、欧州へ向かおうとする不法移民が急増した。

 サイード氏の演説以来、アフリカ諸国出身の黒人の移民や学生を標的とした外国人嫌悪に基づく襲撃が全国的に増えている。職や住居を失った移民も多い。(c)AFP