【8月11日 AFP】部族間で暴力の応酬が続き、コミュニティーが分断されたインド北東部マニプール(Manipur)州。家族を殺された、家を焼かれた、避難民キャンプでつらい生活を送っている。どちらのコミュニティーからも同じような話が聞こえてくる。

 マニプール州では今年5月、多数派でヒンズー教徒が主なメイテイ(Meitei)族と、主にキリスト教徒のクキ(Kuki)族との間で武力衝突が発生。これまでに少なくとも120人が死亡した。実際の犠牲者これを上回ると考える人も多い。

 約5万人が避難を余儀なくされている。教師のランジャナ・ モイランテムさんもその一人だ。ある夜は、ギャング同士が外で撃ち合う中、隣人25人と一つの部屋で過ごした。その後、軍により助け出された。

 モイランテムさんはメイテイで、自宅があったチュラチャンプール(Churachandpur)は今ではクキ専用居住区域となっている。パニック状態で、着の身着のままで避難してきたため、就職に必要な証明書類を持ち出すのを忘れてしまった。

 クキの友人に証明書を探してほしいと頼んだが、友人からは他の多くの家と同様にモイランテムさんの自宅も放火されたと思うと告げられた。

「私は教師で、資格を証明するものがない以上、もうどうしていいかわからない」と嘆く。

 モイランテムさんは現在、政府や慈善団体の支援を頼りに暮らしている。モイラン(Moirang)地区にある避難先のゲストハウスには約250人がいる。ぎゅうぎゅう詰めで、床はマットレスで埋め尽くされている。

「ずっと暮らしてきたチュラチャンプールに帰りたい。私の故郷だ」