【7月29日 AFP】ポーランドとリトアニアは、ロシアの民間軍事会社ワグネル(Wagner)の部隊が隣国ベラルーシに駐留していることを受け、同国との国境の閉鎖を検討している。リトアニアのアルノルダス・アブロマビチュス(Arnoldas Abramavicius)内務次官が28日、明らかにした。

 アブロマビチュス氏は記者団に「実際に検討している。国境を閉鎖する可能性がある」と述べた。

 リトアニアは西側の同盟諸国に対し、ワグネルの戦闘員が亡命希望者を装ってベラルーシから欧州連合(EU)加盟国へ流入したり、難民を巻き込んだ挑発行為を行ったりする可能性があると繰り返し警告してきた。

 アブロマビチュス氏は「ある種の混乱を引き起こすために、難民や非正規移民が送り込まれる可能性もある」と述べた。

 ポーランドの与党「法と正義」のヤロスワフ・カチンスキ(Jaroslaw Kaczynski)党首も28日、ワグネル戦闘員は「遊びでベラルーシにいるのではない」と警告。「彼らは主にポーランドに対し、さまざまな危機を作り出すためにそこにいる」「そうした挑発行為や活動を頓挫させるために」防衛力を増強していると語った。

 ポーランドとリトアニアの両国は、ベラルーシとロシアがEU圏の不安定化を目的として、EUへの移民流入を画策していると非難し、ベラルーシおよびロシアとの国境にフェンスを設置した。(c)AFP