【7月24日 AFP】国連軍司令部(UN Command)は24日、先週韓国から軍事境界線を越え北朝鮮に侵入した米兵トラビス・キング(Travis King)2等兵をめぐり、北朝鮮との「対話」を開始したと発表した。

 アンドリュー・ハリソン(Andrew Harrison)副司令官は記者会見で、朝鮮戦争(Korean War)の「休戦合意の仕組みを通して朝鮮人民軍との対話が始まった」と述べた。

 国連軍は米国が指揮を執る多国籍軍で、1953年の休戦協定の維持を担う。

 ハリソン副司令官は「われわれの最優先事項はキング2等兵の安全だ」と述べた上で、今回の事案については「現在も捜査中」だと明かした。

 キング2等兵は韓国のバーで酔って騒ぎを起こし、警察と口論したとして現地で勾留されていた。その後、懲戒処分を受けるためソウルの空港から米国に移送される予定だったが逃亡。軍事境界線がある板門店(Panmunjom)の共同警備区域(JSA)の見学ツアーの観光客に紛れ込み、越境した。

 キング2等兵は北朝鮮に身柄を拘束されたとみられているが、北朝鮮側は同2等兵について公に言及していない。(c)AFP