【9月17日 AFP】南米最大の人口1150万人を擁する大都市、ブラジル・サンパウロ(Sao Paulo)。コンピューターサイエンスの仕事をしているララ・マイアさん(34)は、冷蔵庫とクローゼットの間に置いた小さな机の上にノートパソコンを広げている。後ろにあるベッドはソファも兼ねている。

 16階にある自宅兼オフィスは、広さ16平方メートル。「これ以上は必要ない。何にでもすぐ手が届くし、かばん2、3個に荷物を詰めていつでも出ていける」とマイアさんはAFPに語った。

 サンパウロでは今、ホテルの客室程度の広さのアパートが増えている。住宅協会によると30平方メートル以下の入居可能戸数は、2016年の461戸から、22年には1万6261戸と急増。アパートの全戸数の5分の1を占めるようになった。

 コンピューターゲームの「テトリス(Tetris)」のように、隙間に家具が詰め込まれ、キッチンのすぐ先がバスルームという物件もあり、ソーシャルメディアではジョークのネタにもなっている。

 不動産会社キントアンダール(Quinto Andar)の調査によれば、顧客層の中心は20~39歳の中流以上の専門職で、大半が独身。職場や公共交通機関に近い立地が人気だという。