■「解任」

 ウクライナ南部の激戦地ザポリージャ(Zaporizhzhia)州に駐留する第58統合部隊司令官のイワン・ポポフ(Ivan Popov)少将(48)は先週、異例の音声メッセージを発表し、軍上層部に数々の問題を指摘したところ解任されたと語った。

 ポポフ氏は、ウクライナにおけるロシア軍側の「大量の死傷者」と「砲兵情報基地の不在」を指摘し、「私にはうそをつく権利はない」と述べた。

 また部隊は司令官らに裏切られたとも言及。個人名は挙げずに「最も困難で緊迫していた時期に、背後から上級指揮官に攻撃された」と述べた。

 ワグネル系のテレグラムチャンネル「Gerasimov」は、ポポフ氏がワレリー・ゲラシモフ(Valery Gerasimov)参謀総長に報告を行った後に解任されたと報じた。

 別のテレグラムチャンネル「Rybar」は、ポポフ氏は兵士から絶大な支持を得ているが、ロシア軍内では特にワグネルの反乱以降、問題点を指摘すると「敵」認定されると伝えている。

■「戦死」

 ロシア国営テレビと親政府系の軍事ブロガーは、南部軍管区の副司令官オレグ・ツォコフ(Oleg Tsokov)中将(51)が先週、ロシア占領下のウクライナ南東部ベルジャンシク(Berdyansk)港のホテルで、英国が供与した長距離巡航ミサイル「ストームシャドー(Storm Shadow、仏名:スカルプ〈SCALP〉)」を使ったウクライナ軍の攻撃により死亡したと報じた。ロシア国防省は沈黙している。

 テレグラムチャンネル「Rybar」は、西側諸国が衛星や「地上の情報提供者」を通じて、ウクライナ軍によるロシア軍要人の所在の把握を支援していると指摘。「誰もがそのことを知っているが、何の対策も講じていない」として軍上層部を批判した。(c)AFP