【7月10日 AFP】カンボジアのフン・セン(Hun Sen)首相は9日、米国がウクライナにクラスター弾供与を決めたことを受け、ウクライナに対しクラスター弾を使用しないよう求めた。カンボジアにはベトナム戦争(Vietnam War)や内戦時の不発弾や地雷が今も残っている。

 フン・セン首相はツイッター(Twitter)に、ウクライナ軍が「ロシアに占領されている地域でクラスター弾を使えば、長年あるいは長ければ100年にわたりウクライナの人々を重大な危険にさらすことになる」と投稿した。

 カンボジアでは1970年代に米国が投下したクラスター弾で数万人が死傷するという「つらい経験」をしたことを引き合いに出し、「半世紀以上も前の出来事だが、いまもすべてを除去する手段がない」と続けた。

「米大統領とウクライナ大統領に対し、ウクライナの人々のため、この戦争でクラスター弾を使用しないよう求める。真の犠牲者となるのはウクライナの国民だ」と訴えた。

 米国はベトナム戦争の最中、カンボジアとラオスにある共産主義者の拠点を攻撃するため両国にも空爆した。

 カンボジアでの地雷や不発弾による死者は過去40年で2万人に上っている。(c)AFP