【7月9日 AFP】北朝鮮は9日、東京電力(TEPCO)福島第1原子力発電所の処理水の海洋放出計画を承認した国際原子力機関(IAEA)を非難した。IAEAは先週、放出計画が国際的な安全基準に合致しているとの報告書を出した。

 放出計画をめぐっては近隣諸国から反対の声が上がっている。中国は海洋放出が実施されれば一部食品の輸入を禁止すると表明し、韓国でも抗議デモが続いている。

 国営朝鮮中央通信(KCNA)が伝えたところによると、IAEAが承認した放出計画について北朝鮮の国土環境保護省当局者は、「人命と安全保障、生態学的環境に致命的な悪影響」を及ぼすとの声明を出した。

 IAEAのラファエル・グロッシ(Rafael Grossi)事務局長は7日、放出計画を協議するために訪韓。3日の日程で滞在中だ。

 ソウル外務省によると、同事務局長は8日に韓国の朴振(Park Jin)外相と会談し、報告書の内容について説明した。

 グロッシ事務局長はこの会談後ツイッター(Twitter)への投稿で、安全を確実のものとするために、IAEAは計画の「全行程」において福島で監視を続けると説明。「今後始まることは、これまで取り組んできたことよりもさらに重要になる」と述べた。(c)AFP