【7月5日 AFP】国連人権理事会(UN Human Rights Council)のベラルーシ担当特別報告者、アナイス・マラン(Anais Marin)氏は4日、同国の人権状況は「破滅的」であり、さらに悪化しつつあると警告した。

 マラン氏は人権理の会合で、ベラルーシのアレクサンドル・ルカシェンコ(Alexander Lukashenko)政権は市民社会から反政権的な言論を意図的に一掃しようとしていると指摘。「(人権)状況は破滅的だ。しかも不幸なことに悪化の一途をたどっている」と語った。

 その上で、「ベラルーシ政府は既に制限されている市民の自由を剥奪することを狙い法改正した。その結果、政治的な動機に基づいた訴追や判決言い渡しが急増している」と説明。「人権侵害に対する責任の欠如により、被侵害者やその家族が恐怖に支配される風潮が広がっている」と述べた。

 マラン氏がこの日公表したベラルーシに関する年報によると、同国では1500人以上が政治的動機に基づいて訴追・拘束されている。また2020年以降、恣意(しい)的な逮捕件数は1日平均17件に上っている。(c)AFP