【7月4日 AFP】ベラルーシの反政権派指導者で、リトアニアに亡命しているスベトラーナ・チハノフスカヤ(Svetlana Tikhanovskaya)氏は4日、自国内で収監されている夫セルゲイ・チハノフスキー(Sergei Tikhanovsky)氏(41)が死亡したとする匿名メッセージを受け取ったと明らかにした。夫とは今年3月以降、連絡が取れていないという。

 チハノフスカヤ氏はツイッター(Twitter)に「きょう、私は極めて奇妙で恐ろしいメッセージを受け取った。正体不明の人物からで、夫セルゲイがジョジノ(Zhodino)刑務所で死んだと書いてあった」と英語で投稿した。

「この主張を裏付ける証拠はない。こうしたうわさが出回ったのは初めてではなく、どうコメントすればいいか分からない。セルゲイとは3月9日以降音信不通で、弁護士も面会が許されていない」としている。

 チハノフスカヤ氏はさらにフェイスブック(Facebook)で、問題のメッセージは「政治犯だけでなく、その家族にも圧力をかけようという政権の新たな試み」である可能性があるとの見方を示した。

 チハノフスキー氏は2020年8月の大統領選に出馬予定だったが、選挙前に拘束・逮捕された。これを受けて、それまで政治経験のなかったチハノフスカヤ氏が夫の意志を継いで出馬。勝利が確実視されていたものの、アレクサンドル・ルカシェンコ(Alexander Lukashenko)大統領が再選され、選挙結果の不正を訴える反政権デモが広がった。

 国営メディアによると、チハノフスキー氏は21年、数か月に及ぶ裁判で、暴動を組織し、社会的憎悪を扇動した罪で有罪となり、懲役18年を言い渡されている。(c)AFP