【7月4日 AFP】南アフリカ最大の民族集団ズールー(Zulu)の王が3日、AFPの取材に応じ、毒を盛られたといううわさを否定した。

 隣国エスワティニで健康診断を受けているミスズールー・カ・ズウェリティニ(Misuzulu ka Zwelithini)王(48)は、電話インタビューで「体調は非常に良好で、健康だ」と述べた。

 ズールーをめぐっては昨年、ミスズールー王の父、グッドウィル・ズウェリティニ(Goodwill Zwelithini)王の死去に伴い、親族間で後継者争いが起きた。

 ミスズールー王が毒を盛られたといううわさが広がったのは、影響力を持つズールーの首相マンゴスツ・ブテレジ(Mangosuthu Buthelezi)王子が先週末、王が体調をくずしエスワティニで入院したが、毒を盛られた疑いがあると話したことがきっかけだった。

 これより先に王の側近が毒物摂取により急死していた。

 だが、王はAFPの入院していたのかという問いに対して「していない」とし、3~6か月に1度受けている定期健康診断の一環だと答えた。

 王室の広報担当者が3日にAFPに提供した動画でミスズールー王は、「右腕」だった側近の死について考えるため自宅を離れようと思い、たまたま健康診断の時期が重なっていたため、エスワティニ行きを決めたと説明している。また「毒を盛られたのが理由ではない。私は100%健康体だ。何も問題ない」と強調した。

 エスワティニの国王、ムスワティ3世(Mswati III)は、ミスズールー王のおじに当たる。

 ブテレジ氏は、ミスズールー王は両親が南アフリカで治療を受けた後、死亡したことから、エスワティニでの治療を望んでいると話していた。

 ズールーの王は執行権を持たないが、南ア総人口の約5分の1に相当する1100万人以上のズールー人に大きな影響力を持つ。(c)AFP/Susan NJANJI