【6月28日 AFP】ハンガリーのオルバン・ビクトル(Viktor Orban)首相は26日、ロシアの民間軍事会社ワグネル(Wagner)の創設者エフゲニー・プリゴジン(Yevgeny Prigozhin)氏が起こした武装反乱について、「取るに足りない出来事」であり、ウラジーミル・プーチン(Vladimir Putin)大統領の権威が失墜することはないとの見方を示した。

 オルバン氏はドイツのビルト(Bild)紙、ウェルト(Die Welt)紙、ニュースサイト「ポリティコ(Politico)」の合同インタビューで、「彼(プーチン氏)の権威が失墜し、政権交代が起きるかもしれないと考えるのは、ロシア国民とロシアの権力構造を理解していないからだ」と主張。

 反乱が24時間以内に解決したのはプーチン氏の強さの表れであり、支持率の高さや軍と情報機関、警察を支配する盤石な体制を考えれば、同氏は2024年の次期大統領選でも勝利し、続投するだろうとの見通しを示した。

 プーチン氏に対しては、ウクライナの子どもを違法に連れ去った戦争犯罪の疑いで国際刑事裁判所(ICC)が逮捕状を出している。オルバン氏はこの点について「戦争犯罪をめぐる議論は(ウクライナでの)紛争が終わってからでいい」とし、現時点での訴追は支持しないと述べた。今は停戦と和平交渉に注力する必要があり、その協議の場に招いた人物に、逮捕すると告げるのは良案ではないと語った。

 一方、ウクライナでの情勢については、同国は反転攻勢である程度の成功を収めているが、「ロシアより先に兵力が枯渇する」ため、軍事的勝利を収めるのは「不可能」だと指摘した。(c)AFP