【6月24日 AFP】大西洋で豪華客船タイタニック号(RMS Titanic)の残骸見学ツアー中に潜水艇が圧壊した事故を受け、ツアーを催行した米企業オーシャンゲート・エクスペディションズ(OceanGate Expeditions)の創業者で、操縦士として潜水艇に乗っていて死亡したストックトン・ラッシュ(Stockton Rush)氏は安全性を非常に重視していたと元ビジネスパートナーが23日に擁護した。事故をめぐり、同社の責任を問う批判の声が高まっている。

 映画『タイタニック(Titanic)』のジェームズ・キャメロン(James Cameron)監督は、オーシャンゲートが安全性に関する警告を無視していたと非難。

 業界団体、有人潜水艇委員会のウィリアム・コーネン(William Kohnen)委員長も、同社は潜水艇「タイタン(Titan)」の安全性認証手続きに「消極的」だったと指摘した。

 しかし、2009年にラッシュ氏とオーシャンゲートを創業し、2013年に退社したギレルモ・ソーンライン(Guillermo Soehnlein)氏は英タイムズラジオ(Times Radio)で、ラッシュ氏は無謀な人間ではなかったと主張。

「彼は安全性を非常に重視していた」「リスク管理に関しても非常に熱心で、深海作業の危険性を強く認識していた」と語る一方で、ラッシュ氏はタイタンの設計には関与していなかったと強調した。

 さらに、キャメロン監督自身もさまざまな潜水艇で深海探査を行い、タイタニック号の沈没現場には30回以上、世界で最も深い南太平洋マリアナ海溝の最深部でも潜航を行ってきたと指摘。

「(その際に)同様のリスクについて聞かれ、キャメロン氏は『あの深さで何か問題が起きれば、1マイクロ秒足らずで大惨事が起きる』と答えていたと思う」「爆縮は音速並みのスピードで起こる。何かがおかしいと頭で考える間もなく死んでしまうはずだ」と語り、タイタンに何が起きたのかを臆測で語るのは時期尚早だと話した。(c)AFP