【6月21日 AFP】フランスのエマニュエル・マクロン(Emmanuel Macron)大統領が、8月に南アフリカで開催される新興5か国(BRICS)首脳会議(サミット)にオブザーバーとしての出席を希望していると、仏外相が20日、明らかにした。

 BRICSはブラジル、ロシア、インド、中国と今回の開催国である南アフリカで構成されており、8月の会議にはロシアのウラジーミル・プーチン(Vladimir Putin)大統領も招待されている。

 南アを訪問したカトリーヌ・コロナ(Catherine Colonna)欧州・外務相は記者団の質問に答え、マクロン氏の「関心」を南ア政府に伝えたと述べた。

 BRICSの会議に構成国以外の首脳が出席するのはまれ。南アのナレディ・パンドール(Naledi Pandor)国際関係・協力相は19日、「実現すれば、これまでのBRICSの参加モデルに革新をもたらすだろう」との見方を示したものの、招待者に関する決定権は輪番制で現在BRICS議長を務めている南アのシリル・ラマポーザ(Cyril Ramaphosa)大統領にあると述べた。

 一方コロナ氏は、プーチン氏が出席する可能性を念頭に、会議への招待は「国際法を完全に尊重したもの」でなければならないと強調した。

 プーチン氏をめぐっては、ウクライナの子どもの違法連行に関わった疑いで国際刑事裁判所(ICC)から逮捕状が出ている。

 南アはICCに加盟しており、プーチン氏が入国すれば身柄を拘束する義務が生じる。反アパルトヘイト(人種隔離政策)闘争の時代からロシアと密接な関係を保っている南ア政府にとって、プーチン氏に対するICCの逮捕状は悩ましい問題となっている。(c)AFP