【6月20日 AFP】モルドバ憲法裁判所は19日、親ロシア派野党「ショル」を非合法とする判断を下した。

 親欧米派のマイア・サンドゥ(Maia Sandu)政権はショル党について、政権転覆を画策し、国益を損なっていると非難。憲法に反していないか裁判所に判断を仰いでいた。

 裁判所はこの日、「ショル党を違憲とする」と宣告、即日解散を命じた。所属の議員5人は資格を維持できるが、無所属となる。同党は欧州人権裁判所(European Court of Human Rights)に提訴する方針。

 サンドゥ大統領は裁判所の判断を歓迎。「国民は犯罪組織が擁護されることなく、また国家が乗っ取られることのない、法に基づく民主国家で暮らしたいと願っている」とフェイスブック(Facebook)に投稿した。

 ショル党は、イラン・ショル(Ilan Shor)氏(36)が創立。同氏自身は2019年、イスラエルに逃亡。今年4月には本人不在のまま、マネーロンダリング(資金洗浄)などの罪で15年の禁錮刑を言い渡されている。

 ショル党はここ数か月、電気料金の高騰などをめぐってサンドゥ政権に抗議するデモを首都キシナウをはじめ各都市で行っている。大統領がウクライナでの戦争にモルドバを引きずり込もうとしている、とも訴えている。

 モルドバ当局はこうした抗議行動について、現政権を退陣に追い込み、親ロシア政権を樹立させることを狙ったロシアの策謀だと主張している。(c)AFP