【6月1日 AFP】カナダ政府は5月31日、世界で初めてたばこ一本一本に健康被害を警告する表示を義務付けると発表した。

 8月1日から段階的に実施し、「一服ごとに毒」「たばこの煙は子どもに有害」「たばこはがんを引き起こす」といった警告文が表示される。

 キャロリン・ベネット(Carolyn Bennett)メンタルヘルス・依存症担当相は、カナダでは毎年4万8000人がたばこで命を落としていると説明した。英国も同様の措置を検討しているが、導入するのはカナダが世界初だという。

 ベネット氏は「この大胆な措置により、健康被害の警告が事実上避けられないものになる。箱に表示される画像表示も更新され、喫煙が健康に及ぼす影響についての真に迫った注意喚起となるだろう」と述べた。

 政府は、依存症に陥りやすい若者の中には、警告文が表示された箱ではなく、たばこ1本を渡されたことをきっかけに喫煙を始める人もいると指摘した。

 カナダは2000年、喫煙の健康被害について啓発するため、世界で初めてたばこの箱に健康被害を警告する画像表示の導入を決定。同国ではここ20年間、喫煙者数が減少傾向にある。

 政府は2035年までに喫煙率を現在の13%から5%(約200万人)に減らす目標を掲げている。(c)AFP