【5月19日 AFP】中央アジア最大の経済大国カザフスタンは18日、西側諸国がロシアのウクライナ侵攻後に発動した対ロシア制裁に違反しているとの疑惑を否定した。

 同国は最近、軍事転用可能な製品のロシアへの再輸出を急増させており、制裁の抜け穴になっていると非難されている。

 国営通信社カズインフォルム(Kazinform)によると、マウレン・アシムバエフ(Maulen Ashimbayev)上院議長は「わが国の領土や企業を(ロシアの)制裁逃れに利用させることはない」「わが国は西側の制裁に違反していない」と述べた。

 西側の制裁によってロシアが直接輸入できなくなった製品は、旧ソ連構成国や中国、トルコ、アラブ首長国連邦(UAE)の企業がまず輸入し、ロシアに再輸出していると疑われている。例えば冷蔵庫やプリンター、電卓などでも、マイクロチップを抜き取られて兵器に転用される恐れがある。

 欧州復興開発銀行(EBRD)のチーフエコノミスト、ベアタ・ヤボルチク(Beata Javorcik)氏は今週、西側のロシア向け製品の輸出先が、旧ソ連構成国にシフトしていると述べた。

 同氏は「西欧の対ロシア輸出は約60%減となっているが、中央アジアやカフカス(Caucasus)地方への輸出は増加しており、こうした地域の国々からロシアへの輸出が増えていることが分かる」「輸出が増えているのは、完全または部分的に制裁対象となっている製品で特に顕著だ」と説明した。(c)AFP