【4月28日 AFP】米動画配信大手ネットフリックス(Netflix)のドラマで、古代エジプトの女王クレオパトラ(Cleopatra)が黒人として描かれていることについて、エジプト観光・考古省は27日、クレオパトラは「肌が白かった」と主張した。

 英国人女優アデル・ジェームズ(Adele James)さん主演の「女王クレオパトラ(Queen Cleopatra)」は、5月10日の公開前からエジプトでは論争の的となり、歴史の書き換えを非難するオンライン署名にはすでに4万筆以上が集まっている。

 観光・考古省は専門家の意見を含む長文の声明を発表。クレオパトラは「肌が白く、ギリシャ系の容姿」だったとの見解で全関係者が一致していると強調した。

 声明は、欧州系の特徴を示すイラスト付きで、歴史上の「レリーフや彫像が何よりの証拠だ」としている。

 エジプト考古最高評議会(Egyptian Supreme Council of Antiquities)のムスタファ・ワジリ(Mostafa al-Waziri)事務局長は、クレオパトラを黒人として描くことは「エジプト史の改ざん」にほかならないと批判。エジプト側の主張は「古代エジプト史の重要な一部であるクレオパトラ女王の歴史を守る」ためで、人種差別的な意図はないと補足した。

 クレオパトラは紀元前69年ごろに生まれた。絶世の美女とされているが、その容姿や肌の色については解釈の余地も残っている。(c)AFP