【4月27日 AFP】米国のジョー・バイデン(Joe Biden)大統領と韓国の尹錫悦(ユン・ソンニョル、Yoon Suk-yeol)大統領は26日、米国が「核の傘」を含む戦力で韓国を防衛する「拡大抑止」の強化を盛り込んだ「ワシントン宣言(Washington Declaration)」を発表した。

 両首脳はホワイトハウス(White House)で会談後、共同記者会見に臨み、北朝鮮がミサイル発射実験や核兵器開発を続ける中、韓国を守る米国の安全保障の盾は強化されていると明言。

 バイデン氏は、北朝鮮が米国は同盟国に核兵器を使用した場合、「体制の終焉(しゅうえん)を迎えるだろう」と警告した。

 尹氏も「北朝鮮が核兵器で攻撃してきた場合、米韓両国は米国の核兵器を含む同盟の全戦力を用いて迅速かつ圧倒的、決定的な対応を取る」ことで合意したと述べた。

■原潜の派遣

 匿名を条件に取材に応じた米政府関係者はただ、韓国に核兵器を配備する計画はないと強調。韓国も宣言の中で、核兵器保有を目指さない方針を改めて確認した。

 一方で関係者は、第1段階として「弾道ミサイル装備の米潜水艦の韓国派遣を含む戦略兵器の展開」が想定されていると述べた。米軍が核兵器を搭載できる戦略ミサイル原潜を韓国へ派遣するのは、1980年代初め以来となる。

 関係者はさらに、中国に対しては「こうした措置を講じる根拠を事前に明確に説明した」とする一方、バイデン政権は中国が北朝鮮に「影響力を行使する意思がない」ことに失望していると語った。(c)AFP/Sebastian Smith