【4月25日 AFP】中央アジア・カザフスタンの外務省は24日、国民に対しウクライナでの戦闘に参加しないよう呼び掛けた。ウクライナで戦うことに「ロマンはない」とし、帰国後は長期の禁錮刑の対象になると警告している。

 今回の呼び掛けは、若いカザフ人男性がロシアの民間軍事会社ワグネル(Wagner)に加わるためウクライナに来たと話す動画がテレグラム(Telegram)に投稿されたのを受けたもの。

 動画では戦闘服を着た男性が、自分は23歳で、ロシア・シベリア(Siberia)のトムスク(Tomsk)に留学していたと語った。自らの意思でワグネルに加入したとし、「拉致された訳ではない」と強調している。

 カザフ外務省の報道官は「戦闘にロマンなど一切ない」「これはわれわれの戦争ではない」と訴えた。

 その上で、ワグネルなどへの参加は違法であり、違反した場合「5年以上9年以下の禁錮刑」の対象となると警告。動画の男性についても、帰国すれば訴追されるとしている。

 ウクライナ侵攻をめぐり、カザフはロシアから距離を取っており、動員逃れで脱出してきたロシア人を受け入れている。

 一方、ロシア軍とワグネルは人的損失を穴埋めするため、困窮し、故郷とのつながりが希薄な中央アジアからの移民を勧誘。ワグネルは移民に多額の報酬を提示している。

 カザフ、ウズベキスタン、キルギス、タジキスタンからの報道によると、各国でそれぞれ数十人がウクライナでの戦闘に参加し死亡している。一部にはロシアの刑務所で服役中に採用された人もいた。(c)AFP