【4月25日 AFP】英ロンドンのギルドホール図書館(Guildhall Library)で24日、劇作家ウィリアム・シェークスピア(William Shakespeare)の「ファースト・フォリオ(First Folio)」として知られる、戯曲全集の初版本が、出版から400年を記念して1日限定で一般公開された。

 シェークスピアの作品は、オリジナル原稿が残っていない。1616年4月23日に亡くなって7年後の1623年11月8日、ファースト・フォリオは刊行された。「十二夜(Twelfth Night)」「尺には尺を(Measure for Measure)」「マクベス(Macbeth)」など36の戯曲が収められている。約750部が印刷され、うち233部が現存している。

 今回公開されたのは、世界で最も保存状態が良いとされる1部で、図書館には一目見ようと行列ができた。

 ギルドホール図書館の主任司書、ピーター・ロス(Peter Ross)氏はAFPに「ファースト・フォリオがなければ、シェークスピアの作品の大半は散逸していたかもしれない」と指摘。「当館にあるのは、世界で最も保存状態が優れているとされる1部で、完全版だ」「他の版から複写されたところもなく、ページの角がほんの少し欠けているが修復されている。それを除けば、素晴らしい状態だ」と説明した。

 2020年10月に米ニューヨークで行われたオークションでは、ファースト・フォリオ1部が文学作品として史上最高額となる997万ドル(現在のレートで約13億4000万円)で落札された。(c)AFP