【4月24日 People’s Daily】このほど、第6回中国「ネット文学+」会議が北京市で開催され、中国オーディオビジュアル・デジタル出版協会(CADPA)は『2021年中国ネット文学発展報告書』を発表し、中国のネット文学の躍進する活力を示した。

 この報告書によると、過去10年間、中国のネット文学市場の収益規模は24億5000万元(約477億円)から267億2000万元(約5200億円)に膨れ上がった。作品数は800万冊以上から3200万冊以上に増加し、登録作家数は419万人から2278万人になった。ユーザー数は2億3000万人から4億9000万人に増加し、知的財産(IP)の収益規模は1億元(約19億円)未満から40億元(約778億円)以上に増加し、海外市場の収益は2018年の4億元(約78億円)から2021年の29億500万元(約574億円)に達したという。

 インターネットを利用して創作や伝播を行う文学の形態であるネット文学は、主に若者によって制作されている。最初の中国のネット文学の多くは玄幻(幻学を基礎にしたファンタジー)、サスペンス、仙侠(道教、仙術、武術などの要素が盛り込まれた文学ジャンル)などのジャンルだったが、後に都市、歴史、SF、医療、産業、教育、伝統文化などの多様なジャンルが開発され、30を超える大分類と200を超える小分類が形成されている。特に、社会的な生活シーンを描写し、時代の発展の流れを反映する現実的な題材では、耳目を一新させる優れた作品が数多く現れている。

 小説からテレビドラマ、漫画、バラエティ番組、アニメーション、ゲーム、ドキュメンタリー、舞台劇、オンライン公演、派生消費品などにいたるまで、インターネット企業は人気シリーズのIPの全体的な開発を行い、IPの背後にある巨大な展開空間を見届けている。

 ネット文学作家の創作への情熱は、IPの開発と改編に活力を与える。2021年、ネット文学作品数は3200万部を超え、登録作家数は10年前の5倍以上だ。業界関係者は、多様な作家とテーマの開放によって、ネット文学が多様な産業形態へ変換に適していると考えている。

 現代の社会心理学を鮮明に反映することも、ネット文学IPの転換における独特な利点となっている。「ネット文学と従来の文学の最大の違いは、触れ合いという点にある。視聴者との触れ合いは創造性を豊かにし、現実に対する反映もより敏感にできる」と、動画共有サイトの騰訊視頻(テンセントビデオ、Tencent Video)の黄杰(Huang Jie)副編集長は説明している。ネット文学は「時代の在り方」を持っており、職場の人生、青春の励み、ホットトピックなどを記し、ネット文学の創作が現代生活により密接に関係していることを示しているという。

 海外の中国ネット文学プラットフォームには、数十万人の海外のネット作家が世界中に存在している。中国のネット文学はすでに「走出去(海外進出)」しており、中国企業が運営する海外プラットフォームは、30万部以上の作品を保有している。その海外ユーザーは累計で1億4500万人を突破し、20万人以上の外国人作家が多言語多種のネット文学の創作を展開しており、作品、著作権の海外展開から生産モード、文化の海外展開までの発展への道を形成し始めている。(c)People’s Daily/AFPBB News