【3月9日 AFP】モルドバ東部の親ロシア派支配地域トランスニストリア(Transnistria)の当局は9日、ウクライナ政府が計画した高官を狙った攻撃を未然に阻止したと発表した。

 トランスニストリアはウクライナと隣接する細長い地域で、「沿ドニエストル・モルドバ共和国」として分離独立を宣言。以来、ロシアは同地に駐留軍を置いている。

 モルドバのマイア・サンドゥ(Maia Sandu)大統領は先月、ロシアが反体制派を装って破壊工作を仕掛け、現政権の転覆を計画していると非難した。ロシアはこの主張を否定している。

 分離派の当局者は、「ウクライナ保安局が指揮し、複数の高官を狙ったテロ攻撃」を未然に防いだと発表。「複数の容疑者が拘束された。自供している」としている。

 また分離派の「検察」は、「テロ攻撃は(沿ドニエストル共和国の)首都中心部で実行される予定で、多数の犠牲を狙っていた」と断定した。

 分離派が運営するテレビ局は、容疑者は8キロの爆薬を積んだ車を爆発させる予定だったと伝え、「ウクライナ保安局から命令を受けていた」とされる40歳の男性の画像を放映した。

 モルドバは人口250万人の貧困国で、相当数のロシア系住民が住んでいる。近年は親欧米姿勢をとっており、ロシアの怒りを買っている。(c)AFP