【2月8日 AFP】南米エクアドルで、地方の首長選挙に出馬していた候補が投票開始数時間前に射殺されたものの、当選する出来事があった。国家選挙審議会(CNE)が7日、明らかにした。

 CNEによると、オマール・メネンデス(Omar Menendez)氏(41)は、5日に行われた西海岸に位置するプエルトロペス(Puerto Lopez)の町長選に出馬していた。

 殺害されたのが投票開始数時間前だったため、投票用紙からメネンデス氏の名前と写真を削除する時間がなかったという。メネンデス氏は、左派のラファエル・コレア(Rafael Correa)元大統領と関係が深い「市民革命運動」が擁立した候補だった。法律により、同党が任命する人物が町長に就任する。

 ベルギーに亡命中のコレア氏は2020年、汚職により懲役8年の有罪判決を受けた。同氏は6日、「今回の勝利はオマール・メネンデス氏にささげる」とツイッター(Twitter)に投稿するとともに、メネンデス氏の襲撃に巻き込まれた16歳の犠牲者の家族にも支援を表明した。

 エクアドルでは5日の地方選を前に、メネンデス氏以外にも南西部サリーナス(Salinas)の首長選候補者1人が射殺されている。同国では、麻薬組織間の紛争激化に伴い、犯罪が急増している。(c)AFP