【2月12日 AFP】グアテマラで今月初め、無数のバイカーが首都グアテマラ市の憲法広場(Constitution Square)を夜明けとともに出発した。目指すは222キロ先にあるエスキプラス(Esquipulas)の黒いキリストだ。

 1961年から毎年2月に行われているバイクの巡礼は、「ソロのキャラバン(Caravan of Zorro)」の名で知られている。新型コロナウイルスの影響で2年間、中止されていた。

「神がエスキプラスに行くことを許してくれたのはこれで12回目だ」とバイカーの一人、角がついた骸骨のマスクを着けたアルベルト・ゴディネスさん(43)は語る。他の参加者も悪魔や映画の登場人物などのマスクを着けている。

 エスキプラスの黒いキリストは、400年以上にわたり、カトリック教徒に崇拝されてきた。エスキプラスは1996年、当時のローマ教皇ヨハネ・パウロ2世 (John Paul II)により「中米の信仰の中心」と宣言された。

 エスキプラスまで通常は4時間で行けるが、巡礼の旅では途中何度も停車するため、7時間かかる。警察が警護をし、具合が悪くなった人のための救護施設も設けられている。

 バイク巡礼は1961年、「エル・ソロ」ことルベン・ビッラデレオン(Ruben Villadeleon)さんが友人たちと始めた。回を重ねるにつれ恒例行事となり、87年にビッラデレオンさんが亡くなると、家族が後を引き継いだ。

 参加者は3万人を超えることが多く、5万人以上に上る年もあった。(c)AFP/Johan ORDONE