【1月11日 AFP】南米ペルーのリマで4日、女性6人が、パドルボードでの太平洋横断8000キロの旅に出発した。スポーツによりがん患者の精神的苦痛を取り除く取り組みへの認識を高める目的がある。

 メンバーは、スペイン人1人とフランス人5人。ボード1そうとパドルだけで、リマから仏領ポリネシアのモーレア(Mo'orea)島を目指す。3月末に到着予定。

 メンバーのステファニー・ジェイエ・バルネックス(Stephanie Geyer Barneix)さん(47)は出発前、「私たちは、前例のない挑戦をする」「実現までに3年かかった。きょうがその最初の日だ」と抱負を語った。バルネックスさんは乳がんサバイバーだ。

 メンバーは1人が1時間、ボードの上に立ってこぐ。その間、残りの5人は随行する双胴船(カタマラン)で休息する。船には救急隊員も同乗している。1人当たり1日約4時間こぐことになる。バルネックスさんによると、1時間に進む距離は5~6キロ。

 6人は22~47歳で、運動好き。沿岸警備隊の訓練も受けている。

 プロジェクトは、ノルウェーの探検家トール・ヘイエルダール(Thor Heyerdah)による1947年の「コンティキ(Kon-Tiki)号」の航海から発想を得た。

 南米先住民がポリネシアに渡る手段を持っていたことを証明する目的があった。ヘイエルダールは、数百年前に使われていたものと同じ材料と技術でいかだを作った。

 バルネックスさんは、「私たちは初め、メキシコから出発するのが最短ルートだと考えていた。しかし、コンティキ号の船員が6人だったと知り、私たちも6人なので、これだと思った」と語った。

 今回のプロジェクトは、がんと闘う人やがんサバイバーをスポーツを通じて支援する団体「ホープチーム・イースト(Hope Team East)」の資金調達を目的としている。(c)AFP/Luis Jaime CISNEROS