【5月10日 AFP】特注のたる形カプセルで海流だけを頼りに、約4か月かけて大西洋を横断していた72歳のフランス人男性ジャンジャック・サバン(Jean-Jacques Savin)さんが9日、カリブ海(Caribbean Sea)にある仏領マルティニク(Martinique)島に到着し、航海の成功を祝った。

 サバンさんは昨年12月26日、アフリカ北西部沖にあるスペイン領カナリア(Canary)諸島沖から航海を開始。それ以来、久しぶりの抱擁をパートナーのジョジアーヌ(Josyane)さんと交わしたサバンさんは、「心が浮き立つような航海だったが、とても危険でもあった」と語った。

 たる形カプセルは樹脂塗装された合板製で、波に耐え、シャチの襲撃に備えるため頑丈に補強されていた。

 サバンさんは航海開始後から122日経過した4月27日にカリブ海に公式に到着。この時点ですでに航海の成功を宣言していた。

 その後、米国など他国の海岸に流れ着いてしまうとフランスにカプセルを持ち帰る手続きが複雑になるため、サバンさんは支援を要請。これを受け、カリブ海到達から5日後、オランダの石油タンカーがサバンさんとカプセルを海中から引き揚げた。

 サバンさんは自身のフェイスブック(Facebook)ページのフォロワー約2万3000人に対し「最初の段階は厳しかった。酒に酔っているように感じた」と語り、さらに「せっけんを使って熱いシャワーを浴びるのは127日ぶりだ」「なんでも食べたいものを作ってくれると言われたので、卵2個の目玉焼きをもらえないかと頼んだ」などと伝えた。

 たる形カプセルとサバンさんは、オランダ領サントゥシュタット(Saint-Eustache)島で数日を過ごした後、フランスのタグボートでマルティニク島へと運ばれた。

 今回の航海で、サバンさんの体重は約4キロ減少した。(c)AFP/Fanny MARSOT