【11月19日 AFP】90代で教育を受けることを決意して小学校に通い始め、「世界最高齢の小学生」としてフランスでドキュメンタリー映画も制作されたケニア人のプリシラ・ステナイ(Priscilla Sitieni)さんが16日、死去した。99歳。地元メディアが報じた。

 孫の一人はケニアの日刊紙スタンダード(Standard)に17日、親しみを込めてゴゴ(地元の言葉で「おばあちゃん」)と呼ばれていたステナイさんは、胸部の合併症により自宅で亡くなったと明らかにした。

「ゴゴは、胸の痛みが増して亡くなる3日前までは元気に学校に通っていた」とし、「私たち家族は、100年に及ぶ祖母の人生に感謝している。私たちみんなの誇りだった」と話している。

 国連教育科学文化機関(ユネスコ、UNESCO)によると、ステナイさんは94歳の時に村の小学校の校長に働き掛け、入学を認められた。

 昨年行われたユネスコとのインタビューでは、小学校で学び始めたのは、ケニアの若い女性が子どもを産んだ後、恥ずかしさや社会の烙印(らくいん)を恐れて退学するのではなく、復学する後押しをしたかったからだと説明。

「ケニアだけでなく世界中の学校に通っていない女の子たちの手本になりたかった」「教育は未来をつくる。一度でも受ければ、失うことはない」と語っていた。

 フランスでは、ドキュメンタリー映画『GOGO(ゴゴ) 94歳の小学生(Gogo)』も制作された。(c)AFP