シリアのコレラ禍深刻化、政府とトルコに責任 HRW
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【11月8日 AFP】国際人権団体ヒューマン・ライツ・ウオッチ(HRW)は7日、シリアでコレラ禍が深刻化していることについて、同国政府とトルコが北東部のクルド人勢力支配地域への支援物資の配給や水流を妨げていることが背景にあると非難した。
シリアではここ10年あまりはコレラの流行は報告されていなかったが、世界保健機関(WHO)によると、9月以降、2万4000人以上がコレラに感染、81人が死亡した。
HRWは、トルコ政府はユーフラテス(Euphrates)川の十分な水量を保証せず、また同国の占領下にあるアルーク(Alouk)給水所からの水道供給も保証していないと指摘した。
クルド人勢力が支配する北東部の保健当局は9月、報道陣に対し、ユーフラテス川の水位は低下しており、コレラ菌が検出されたと話していた。
同勢力は、トルコが上流で水量を調節しており、水を武器として利用していると非難している。トルコ政府はそうした主張を否定している。
HRWの中東・北アフリカ地域副ディレクターのアダム・クーグル(Adam Coogle)氏は「トルコはシリアの水危機深刻化を直ちに止めることができるし、そうすべきだ」と語った。
またHRWは、シリアのバッシャール・アサド(Bashar al-Assad)政権も、北東部のクルド人居住区向けの支援物資・サービスを他の用途に転用していると批判した。(c)AFP