【8月18日 Xinhua News】中国黒竜江省(Heilongjiang)ハルビン市(Harbin)方正県(Fangzheng)の関係部門は13日、同省の文化財部門が同県で発見した望江楼東北遺跡が唐から遼代にかけての女真族の集落遺跡だったと発表した。女真族はツングース系の民族で中国東北部に居住し、12世紀に金王朝、17世紀には満州族として清王朝を建国した。黒竜江省で唐~遼代の女真族集落遺跡が見つかったのは初めて。

 遺跡は、方正県天門郷沿江村望江楼屯の北東約500メートルに位置する緩やかな尾根の上にある。松花江本流の右岸からは約200メートル離れており、面積は約3千平方メートル。高速道路建設に伴い2021年11月に実施された埋蔵物調査で存在が確認され、当初は遼~金代の住居跡と判断された。

 黒竜江省文物考古研究所が22年7月上旬に緊急発掘調査を開始し、これまでに約300平方メートルを発掘。住居跡2カ所、灰坑26カ所、灰溝2カ所、窯跡1カ所、環壕1本を発見し、陶器や陶網墜(陶製の漁網の重り)、陶紡輪(陶製の紡錘車)、錐形骨器、鉄刀、石斧、砥石などの遺物標本200点余りが出土した。

 考古学スタッフによると、遺跡は遺構や遺物の特徴から、唐~遼代の女真人の大型集落跡と推定される。同地域の女真族の歴史と文化、生産生活、集落形態、生態環境などの研究を深める上で貴重な実物資料になるという。(c)Xinhua News/AFPBB News