【5月31日 AFP】レバノンの裁判所関係者は30日、国際手配されている日産自動車(Nissan Motor)元会長のカルロス・ゴーン(Carlos Ghosn)被告が事情聴取されたと明らかにした。新たな法的措置は取られず、被告は解放されたという。

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 匿名で取材に応じた関係者によると、マネーロンダリング(資金洗浄)や職権乱用、会社資金の不正使用などの疑惑をめぐり、被告の法定代理人立ち会いの下で聴取が行われた。

 レバノンは今月、ゴーン被告に対する国際刑事警察機構(インターポール、ICPO)の「赤手配書」を受け取っていた。これは国際逮捕状ではないが、各国当局に対し、身柄引き渡しなどの法的措置の対象者について一時的な身柄拘束を求めるものだ。

 4月にはフランス検察当局が、ゴーン被告がかつて会長を務めたルノー(Renault)と日産の企業連合統括会社と、オマーンの自動車販売代理店SBAとの間で行われた約1500万ユーロ(約21億円)の取引をめぐり国際逮捕状を出していた。

 レバノンの裁判所関係者によると、ゴーン被告の聴取内容に関しては、同国当局からフランス側に伝えられる。

 レバノンは自国民の外国への引き渡しを認めていない。ゴーン被告に対しては出国を禁止している。フランス当局に対し、被告の捜査資料の提供を要請しており、それを見た上でレバノン国内で裁判にかけるか判断するとしている。(c)AFP