【7月13日 AFPBB News】天体は、人間の目に見える光だけでなく、ガンマ線から電波まで幅広い波長の電磁波を放射している。同じ天体でも、異なる波長で観測すると全く違った姿が見えてくる。そのため天文観測では、電磁波などから得られる情報を収集・分析し、さまざまな天体現象を探る。

 波長が約400~800nm(ナノメートル、1nmは1ミリの100万分の1)の範囲の電磁波は、人間の目で感知できるため、特に「可視光」と呼ばれる。

 可視光より波長が長い電磁波は赤外線、そして電波。可視光より波長が短い電磁波は紫外線、X線、ガンマ線となり、波長が短いほどエネルギーが高い。

 X線の波長は約0.01~1nmで、可視光の1000分の1~10万分の1程度。そのため、可視光の1000~10万倍もの高いエネルギーを持つ。

 物質は高温になるほど、放射されるエネルギーが高くなる。

 太陽の表面は約6000度で、可視光を強く放射している。一方、非常に高いエネルギーを持つX線の発生源は100万度~1億度と超高温で、巨大な重力や爆発が引き起こす天体現象に由来すると考えられている。

 宇宙からのX線は地球の大気に吸収されてしまうため、宇宙望遠鏡による観測が行われている。

 ここでは、X線の波長域で観測した宇宙を取り上げる。(c)AFPBB News