【8月7日 AFP】レバノンのイスラム教シーア派(Shiite)政党・武装組織ヒズボラ(Hezbollah)は6日、イスラエルの拠点にロケット弾を多数発射し、イスラエルは報復攻撃を実施した。

 イスラエルは今週、2014年以来7年ぶりにレバノン領内を空爆。一方、ヒズボラも2019年以来2年ぶりにイスラエル領内に直接ロケット弾を撃ち込んだと主張しており、対立が激化している。

 ヒズボラは、係争地シェバーファームズ(Shebaa Farms)のイスラエル拠点近くの空き地に向けて、ロケット弾数十発を発射したと発表した。イスラエルが5日にレバノン南部を空爆したことに対する報復だと主張している。

 レバノン南部に駐在するAFP記者によると、シェバーファームズの辺りから爆発音が複数回聞こえ、煙が立ち上った。

 イスラエルによると、ロケット弾19発が撃ち込まれ、うち6発がイスラエル領に着弾。3発は飛距離が足りず、残りは防空システムで迎撃したという。

 イスラエル軍は、「レバノンの発射元を攻撃している」と発表したが、詳細は明らかにしなかった。

 6日朝の攻撃の応酬の後、イスラエルは「全面戦争への発展は望まない」と述べたが、レバノン南部の平和維持に当たる国連レバノン暫定軍(UNIFIL)は、「非常に危険な状況」と警鐘を鳴らした。

 米国務省はレバノンに対し、「こうした攻撃を即座に阻止し、当該地域を管理下に置く」よう求めた。レバノンでは暫定政権が1年近く続き、ヒズボラが強大な政治勢力となっている。

 これに先立ち、イスラエルのベニー・ガンツ(Benny Gantz)国防相が、レバノンに圧力をかけるよう米国に求めていた。(c)AFP/Rouba El Husseini with Mahmoud Zayyat near Shebaa Farms