【9月14日 AFP】仏ボルドー(Bordeaux)のピエール・ユルミック(Pierre Hurmic)新市長は11日、環境に優しい政策の一環として今冬は同市伝統のクリスマスツリーを設置しないと表明したことをめぐり、多方面から批判を受けた。

 ユルミック市長は、6月の統一地方選で近年最大級の躍進を遂げ、主要都市を席巻した環境政党ヨーロッパエコロジー・緑の党(EELV)に所属。

 ユルミック氏は10日、一連の植え替え事業を発表した際、ボルドーの大聖堂に隣接する由緒ある中央広場に毎年飾られる背の高いクリスマスツリーに狙いを定め、「われわれの広場に枯れた木を立てるつもりはない。植生回復というわれわれの理念とまったく相いれない」と述べた。

 ボルドー市は代わりに「動画によるショー」を制作し、浮いた予算を慈善団体や、新型コロナウイルス危機で打撃を受けた事業者の支援に使うという。

 これにはすぐさま、環境への影響がわずかにすぎないにもかかわらず、市長は大切にされているクリスマスの儀式を拒絶しているとして、反発の声が上がった。

 クリスマスツリー不設置計画に反対するオンライン署名活動を開始したボルドーのファビアン・ロベール(Fabien Robert)元副市長は、「まったくもってばかばかしい!」「ボルドーの森の本当の問題を隠している」と述べた。

 EELVは、愛されているフランスの象徴にたびたび異議を申し立てている。

 同じくEELV所属のリヨンのグレゴリー・ドゥセ(Gregory Doucet)市長は9日、同市が先週末にステージのゴールとなったツール・ド・フランス(2020 Tour de France)について、「マッチョで、汚染している」と述べ、「環境に対して責任」を持たない限り、歓迎しないと述べていた。(c)AFP