■大きなプレッシャー

 今年の全豪オープンでは決勝でジョコビッチにフルセット負けしたティエムは、「(グランドスラム優勝は)最大の目標であり、ここ数年のテニスキャリアにおいて最も大きな夢」「全豪では本当にあと一歩のところまで行ったから、気持ちを整理するのはなかなか難しかった」と話す。

「素晴らしい友情とライバル関係」を築けているというズベレフに対しては通算7勝2敗と勝ち越しており、全豪オープンでも準決勝で勝利を収めているが、グランドスラムチャンピオンの仲間入りを果たすためにお互い「ずっと前からハードワークを積んでいる」中で「大きなプレッシャー」がのしかかるだろうと考えている。

「非常にタフな、打ち合いの多い試合になるだろう」「彼のファーストサーブは現時点でツアー最高とも言える。ものすごく速いし正確だ。それが一つのキーポイントになるだろう。多くボールを返せるようにしたい」

 対して、ドイツ人男子としては2003年の全豪オープンのライナー・シュットラー(Rainer Schuttler)氏以来となるグランドスラムの決勝へ駒を進めたズベレフは、1989年のボリス・ベッカー(Boris Becker)氏以来となる同国男子の全米オープン王者になることを目指している。

 今大会の勝ち上がりはティエムほど盤石とは言えず、セカンドサーブやフォアハンドのグラウンドストロークで苦しむ場面も見られたが、パブロ・カレーニョ・ブスタ(Pablo Carreno Busta、スペイン)との準決勝ではキャリアで初めて2セットダウンからの勝利を収めており、自信をつかんで決勝に進んできている。

 ティエムに比べ失うものも少ないとも言えるズベレフは、「チャンスはある。楽しみだ。とにかくわくわくしている」と語っている。(c)AFP/Peter HUTCHISON