【8月25日 AFP】偽造パスポートを使用した疑いで逮捕され、5か月にわたってパラグアイで拘束されていたサッカー元ブラジル代表MFのロナウジーニョ(Ronaldinho)容疑者(40)が、24日に釈放された。

 同様の疑いで1か月にわたって収監され、その後は首都アスンシオンのホテルで4か月軟禁されていた兄のロベルト・デ・アシス・モレイラ(Roberto de Assis Moreira)容疑者についても、釈放が決まった。

 グスタボ・アマリージャ(Gustavo Amarilla)裁判官によれば、ロナウジーニョ容疑者は「世界中の国に自由に渡航できるが、永住地を変更する場合はこちらに通知しなければならない」という。

「社会に対する損害の埋め合わせ以外、制限はない」

 黒のベレー帽とTシャツ、ジーンズ姿のロナウジーニョ容疑者は、罰金9万ドル(約960万円)の支払いを含む釈放の条件を受け入れた。ビジネス面でロナウジーニョ容疑者のマネジャーを務めるアシス・モレイラ容疑者も、11万ドル(約1160万円)を支払わねばならない。

 両容疑者は今後3か月おきにブラジルの裁判所に出頭することになり、その期間はロナウジーニョ容疑者が1年、アシス・モレイラ容疑者が2年となっている。

 アマリージャ裁判官は、口頭審理の必要性を避けるとする検察官4人の勧告を受け入れた。

 検察側は、ロナウジーニョ容疑者はパスポートの偽造計画に関与していなかったが、アシス・モレイラ容疑者はパスポートが偽物であることを知っていたと考えていた。

 恵まれない子どもの支援を目的としたイベントに出席する予定だったロナウジーニョ容疑者とアシス・モレイラ容疑者は、3月4日に問題なくパラグアイに入国したが、その後両容疑者が偽造された文書を所持していたことを知った警察が滞在先のホテルを捜査し、逮捕していた。

 両容疑者はアスンシオンの警察署で勾留された後、160万ドル(約1億7000万円)の保釈金を支払い、高級ホテルでの軟禁生活に入っていた。

 今回の捜査は、マネーロンダリング(資金洗浄)の可能性がある事件にまで拡大している。今回の事件に関連してすでに約18人が逮捕されており、そのほとんどが出入国を管理する職員や警官となっている。(c)AFP