英国GPでのパンク続出は「レース展開」に起因、ピレリが発表
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【8月5日 AFP】20F1第4戦英国GP(British Grand Prix 2020)決勝で、最終盤にタイヤがパンクするドライバーが相次いだ問題で、タイヤ供給元のピレリ(Pirelli)社は4日、原因は2セット目のタイヤを普段ではあり得ないほど長く引っ張ったレース展開が原因だと話した。
午後の暑さの中で行われた2日の決勝では、メルセデスAMG(Mercedes AMG)のルイス・ハミルトン(Lewis Hamilton)のマシンが最終周でパンクし、ハミルトンは周回の大半をそのまま走った末、最後はタイヤが三つしかない状態でなんとかトップを守りきった。
チームメートのバルテリ・ボッタス(Valtteri Bottas)とマクラーレン(McLaren)のカルロス・サインツ・ジュニア(Carlos Sainz Jr.)も終盤にタイヤがパンクし、こちらはそれぞれ2番手と4番手からポイント圏外に転落した。
これを受け、F1にタイヤを独占供給するピレリはコメントを発表し、タイヤの問題の「大きな原因」が、セーフティーカーが2回出動する「特有のレース展開になった結果、2セット目のタイヤが極端に長く使われた」ことにあると述べた。
「2回目のセーフティーカー導入の間に、ほぼすべてのチームがピット戦略に考えを巡らせ、最終スティントを非常に長く取る作戦を実行した。具体的には40周ほどで、これはレース全体の4分の3以上にあたり、しかもあそこは特に過酷なサーキットだ」
「2020年のF1カーのスピードがかなり上がっている(ポールタイムは昨年より1.2秒速い)こともあり、F1史上最速クラスのマシンの生み出すパワーがタイヤにかつてない負担をかけた結果、英国GPの終盤戦はとりわけ厳しいレースとなった」
「そのためレースは、タイヤを運用するには最も難しい条件となった。そして周回が多く重なる中で、左のフロントタイヤ(シルバーストーン<Silverstone Race Circuit>では最も重労働を強いられることで知られる部分)に最大レベルの負荷がかかり、激しく摩耗したことで、極端な圧力への耐性が下がった」
今週9日には、同じシルバーストーンで70周年記念GP(70th Anniversary Grand Prix)が行われる。ピレリはすでに、70周年記念GPでは英国GPより1段階柔らかいタイヤ3種類を使うことを発表しており、最低内圧が高く、負担が少ないタイプに変更するなどの見直しを行う可能性もあるという。(c)AFP