【4月10日 AFP】フランス当局は9日、新型コロナウイルスに感染し集中治療室(ICU)で治療を受けている患者の数が、ウイルス流行の開始以降初めて減少したと発表した。

 仏保健当局トップのジェローム・サロモン(Jerome Salomon)氏は記者会見で、ICUに入っている患者は前日から82人減り、7066人になったと発表。病院と老人ホームでの累計死者数は1万2210人に増加したと述べた。

 サロモン氏は、同国全土で取られている封鎖措置の順守を市民に呼び掛け、「これらの措置により、われわれは新型コロナ感染症の流行にブレーキをかけつつある」と表明。同時に、「(流行状況のグラフが)平たん域に達したという希望が持てたとしても、それは非常に高い平たん域であり、引き続き細心の注意を払う必要がある」と警鐘を鳴らした。

 最新統計によると、過去24時間に病院で死亡した人は412人と、前日の541人から減少。8日の老人ホームでの死者数は、技術的問題により発表されていない。

 フランスでこれまでに感染が確認された人の数は8万6334人だが、当局は多くの感染者が検査を受けていないと警告している。医師組合は、フランスの人口6700万人のうち160万人以上が既に感染している恐れがあるとの見方を示している。(c)AFP