【5月8日 AFP】欧州を訪問している中国の習近平(Xi Jinping)国家主席は7日、セルビア訪問を前に同国の日刊紙ポリティカに寄稿し、1999年に当時の在ユーゴスラビア中国大使館が北大西洋条約機構(NATO)軍に「公然と」爆撃され3人が死亡したことを非難し、「こうした悲劇的な歴史を繰り返してはならない」と警告した。

 この日は爆撃から25年の節目に当たる。中国大使館が爆撃された原因は、米中央情報局(CIA)の地図絡みのミスとされる。

 習氏は寄稿文で「25年前のきょう、NATOはユーゴスラビアの中国大使館を公然と爆撃し、中国人記者3人を殺害した」と指摘し、「このことを決して忘れてはならない。中国の国民は平和を尊ぶが、こうした悲劇の歴史が繰り返されることは決して許さない」と強調。

 中国とセルビアの間の「両国民の血で築かれた」「揺るぎない友情」をたたえた。

 習氏にとっては新型コロナウイルスのパンデミック(世界的な大流行)後では初となる欧州訪問で、フランス、セルビア、ハンガリーを訪れる。セルビアとハンガリーは、欧州でも特にロシアに好意的な国だとみなされている。

 中国は鉱業と製造業を中心に、セルビアを含むバルカン諸国に巨額の投資をしてきた。中国とセルビアは昨年、自由貿易協定(FTA)も締結した。(c)AFP