【3月13日 AFP】日産自動車(Nissan Motor)元取締役で前会長カルロス・ゴーン(Carlos Ghosn)被告の右腕、米国人のグレッグ・ケリー(Greg Kelly)被告(63)がAFPのインタビューに応じ、ゴーン被告の日本からの脱出は「衝撃」だったと語った。

 穏やかな語り口ではあるが、金融商品取引法違反の罪で起訴された自らの裁判に、ゴーン被告の逃亡が影響を及ぼすことへの不安は隠しきれない様子だ。

 ケリー被告は、ゴーン被告に約束された退任後の報酬数千万ドル(数十億円)について開示せず、隠ぺい工作を共謀した容疑で2018年11月に逮捕された。ゴーン被告も同時期に逮捕されている。

「彼(ゴーン被告)はもうここにいない。公正な裁判が行われることが極めて難しくなったように思われる」と話すケリー被告は、「重要証人なしで、いったいどうやってこの事件の裁判を論理的に行えるのか」と続けた。

 ゴーン被告の「右腕」とうたわれたケリー被告だが、仕事以外での関係は全くなかったという。ゴーン被告が後に批判された2016年のベルサイユ宮殿(Palace of Versailles)での豪華な結婚式についても、「彼が結婚したことさえ知らなかった」と述べる。

「カルロス・ゴーンとは月に2回しか会っていなかった。プライベートでの付き合いはなく、仕事上の関係だった」と強調するが、その態度はいたって控え目で、時にずうずうしい印象すらあるゴーン被告とは対照的だ。

 保釈後、ケリー被告は日本の病院で脊椎の手術を受けた。手術は成功したが、手足にはまだしびれが残っていると話す。

 健康維持とストレス解消のため、皇居(Imperial Palace)の周りでジョギングをしているというケリー被告は現在、この一周5キロの人気のコース近くにあるアパートに、妻ドナ(Donna Kelly)さんと滞在している。