【1月15日 AFP】男子テニス、ダブルス世界ランキング1位のロベルト・ファラ(Robert Farah、コロンビア)は14日、ドーピング検査で陽性反応を示したとして来週開幕する全豪オープン(Australian Open Tennis Tournament 2020)を欠場すると発表した。

 32歳のファラは、2019年10月17日にコロンビア・カリ(Cali)で行われたドーピング検査でアナボリックステロイドのボルデノン(boldenone)が検出されたと、国際テニス連盟(ITF)から告げられたことを明かし、自身のSNSに「人生の中で最も悲しい瞬間の一つ。競技生活の中では間違いなく最も悲しい瞬間だ」と記した。

 ファラのドーピング違反が発覚する直前には、昨年11月に行われた国別対抗戦デビスカップ(Davis Cup 2019)におけるドーピング検査で陽性反応を示したとして、同じ南米選手のニコラス・ジャリー(Nicolas Jarry、チリ)もITFから暫定の資格停止処分を科されていた。

 ジャリーのサンプルからは、禁止薬物のリガンドロール(Ligandrol)とスタノゾロール(stanozolol)の痕跡が確認されたという。

 ボルデノンは、コロンビアで牛の成長を促進させるために酪農家によって広く使用されているが、世界反ドーピング機関(WADA)は禁止している。ファラは「それが問題の検査結果を生んだ理由だと確信している」と続けた。

 コロンビアオリンピック委員会(COC)は2018年、牛肉にボルデノンが含まれていることに注意するよう同国の選手に求めていた。

 全豪オープンを控え、米ロサンゼルスでトレーニングを行っていたファラは「陣営やアドバイザーと共に、今後の対応を検討している。フェアプレーや倫理観に背く薬物は一度も使っていないことを示したい」と語った。

 ファラは同胞のファン・セバスチャン・カバル(Juan Sebastian Cabal)とペアを組んで昨年のウィンブルドン選手権(The Championships Wimbledon 2019)と全米オープン(US Open Tennis Championships 2019)を制し、2018年の全豪オープンでは準優勝している。

 また、アンアレーナ・グローネフェルド(Anna-Lena Groenefeld、ドイツ)との混合ダブルスでも2度の四大大会(グランドスラム)決勝進出を果たしている。(c)AFP